白浜町の巨樹・古木

1.「安宅八幡のイチイガシ」(令和5年5月4日作成)

(1)所在地:白浜町(旧日置川町)安宅(安宅八幡神社

(2)種類等:イチイガシ(県指定天然記念物、幹廻り 4.3m、樹齢 300年以上)

   

 ↑ 八幡神社本殿

 紀伊風土記には「八幡宮とあり、北ケ地にあり安宅村及矢田村の産土神なり。正平年中(1346~1369年)安宅河内守山城石清水により勧請する。大永4年(1524)の棟札に奉造上棟八幡宮一宇大本願安宅大炊助とあり、元亀3年(1572)本願安宅橘光定等とある。

 享保3年(1718)5月に奉修八幡宮一宇大本願主安宅佐左衛門信澄の棟札あり。」とある。〈 由来・沿革等より抜粋 〉

 八幡神社本殿の朱色が美しく、歴史的な建築物である。

   

 ↑ イチイガシの全景

   

 ↑ イチイガシの近景

 境内には、樹齢約350年を誇るイチイガシの巨樹がある。幹廻り4m、樹高18mあり、直径1omの樹冠を形成している。

 主幹内部の一部は腐朽しているが、樹勢は旺盛で枝葉もよく茂っている。

*此の安宅八幡神社を中々見つけられず困り果てて、日置駐在所に伺い奥さんから巡回に出ているご主人に連絡をして場所を聞いて頂き、おまわりさんの案内のお陰で八幡神社に辿り着けました。知らない土地で親切にして頂き、感謝の一日でした。

2.「山王神社ホルトノキ」(令和5年5月5日作成)

(1)所在地:白浜町(旧日置川町)安宅139(山王神社

(2)種類等:ホルトノキ(町指定天然記念物、幹廻り 4.6m、樹齢 400~500年)

   

 ↑ 山王神社の鳥居と本殿

 山王神社は、小さいながらも社殿は春日造り、ご祭神は「大山昨命」で安宅の元の産土神である。

 神社は山裾に建てられていて、裏山の斜面にはホルトノキ等の雑木が生い茂っている厳かな場所である。

   

 ↑ ホルトノキ近景(1)

   

 ↑ ホルトノキ近景(2)

 神社裏山のホルトノキは、樹齢400~500年と云われる老木で高さ16.5m、幹廻り4.6mの巨木で、主幹の一部にウロ(樹洞)ができ痛々しい限りであるが、頑張っている姿に勇気でけられる古木である。

山王神社の場所が分からず、安宅総合センターの方に聞いて場所が分かり、山王神社裏手で写真を撮っているとセンター職員の方が、山王神社の冊子のコピーを持って神社まで追っかけて来てくれ、本当に親切に対応して頂き、感謝感謝の一日であった。

 また、白浜町教育委員会の方にも写真提供や現場確認等大変な協力を頂いたお陰でこの章ををまとめる事ができ感謝しています。

3.「相生のクスノキ」(令和5年5月7日作成)

(1)所在地:白浜町(旧日置川町)日置436(日出神社)

(2)種類等:クスノキ(町指定天然記念物、幹廻り南東幹/北西幹 5.84/4.9m、樹齢 700年)

   

 ↑ 日出神社の正面参道

 「創立年代は詳しくはないが、古社で社伝によると大永3年(1523)8月安宅大炊助俊と中島千代寿女が再興という。

 『紀伊風土記』は『本国神名帳』に記される安宅比売神を祀っていた古社であろうとしている。」と由来に記されている由緒ある神社である。

   

 ↑ 相生のクスノキ全景

   

 ↑ 相生のクスノキ近景

 広い境内の中央部に、ご神木のクスノキが悠然と立っている。

 一つの根元から二つの幹が生育しているため、「相生のクスノキ」と呼ばれている町指定の天然記念物である。

 樹齢700年、幹廻りそれぞれ5.84m、4.9mあり、高さは20mを超えている巨樹である。

 大永年間以前より出月宮と云われていた頃から神域を守り続けてきた相生のクスノキは、今も樹勢は旺盛で大切に守られている。

4.「子安地蔵のうばめかし」(令和5年5月8日作成)

(1)所在地:白浜町(旧日置川町)日置197-1(子安地蔵尊

(2)種類等:ウバメカシ(町指定天然記念物、幹廻り 3.2m、樹齢 不明)

   

 ↑ 浜田子安地蔵尊お堂

 その昔、この辺は山あり海ありの海岸の浜辺であった。江戸時代中期、此処に三ケ所の寺があり、来迎寺、延明寺、厳覚寺だった。

 浜田と云う地名であるが、浜辺だから浜田とついたのか浜田と云う名字の大地主かおお金持ち浜田という姓を付けたのか不明である。

 来迎寺の跡に子安地蔵尊が建てられ現在に至っている。〈 子安地蔵尊の由来より 〉

   

 ↑ ウバメカシの全景

   

 ↑ ウバメカシの近景

子安地蔵尊のお堂右手の山裾に、お堂の上まで樹冠を広げたウバメカシの老木がある。

 樹齢は不明だが、高さ15.3m、胸高幹廻り3.2mの立派なご霊木が、綺麗に整備された境内の一角にどっしりと根を下ろし子安地蔵尊を守り続けている。

   

↑ 補強されたウバメカシの近景

 数百年もの間、暴風雨に耐えて大きく伸びてきたウバメカシが今後の台風や自然災害による被害を少なくし、末永く守られる様にと鋼材でしっかり補強されている姿は痛々しい。

 ご霊木のウバメカシの老木は貴重な町の遺産であり、此れからもしっかりと守り続けていかなければと強く感じると共に元気で頑張って生き続ける事を願うばかりである。