美浜町内の巨樹・古木

1.「ウバメガシの老樹」(令和5年3月27日作成)

(1)所在地:美浜町和田1786-1(御﨑神社)

(2)種類等:ウバメカシ(県指定天然記念物、幹廻り 4.5m、樹齢 1,500年以上)

   

 ↑ 御﨑神社鳥居と拝殿

 御﨑神社は、元現在地の背後の宮の谷にあり、貞観元年(859)に現在地に遷座した。日高郡内で国の正史に記載された唯一の社であり、平安後期の『紀伊国神名帳』では、「正三位御﨑神」とある。

 『紀伊風土記』に中世には、社殿壮麗で神田二町二反と記されている。

 祭神:天照坐大神・事代主大神・猿田彦大神・雷大神・天忍穂耳尊(アメノオシホノミコト)・天瓊々杵尊(アメノニニギノミコト速玉男尊 

   〈 御﨑神社由来より 〉

   

 ↑ 御﨑神社拝殿の扁額

 拝殿正面に掲げられている扁額は、天保9年(1838)紀州藩第十代藩主、徳川治宝(後に従一位大納言)が、日御碕沖を航行する船舶の安全祈願のために、自らが揮毫して当御﨑神社に奉納されたもので、第十代藩主を表す徳川家家紋の三つ葉葵の御紋が、額縁上下各4個、左右各1個の合計10個が配され、権威の高さがうかがわれる。

 奉納後178年間、同所に掲げられていたが、漆や金箔が剥げ落ち劣化したので後世への遺産として末永く保存するため平成28年(2016)復元修復された。

  〈 扁額の由来より 〉                  

     

  ↑ ウバメガシの老樹全景

   

  ↑ ウバメガシの老樹近景

 境内には、高さ約10メートル、幹廻り約4.5メートルの県内屈指のウバメガシの老樹がある。

 社伝によると清和天皇貞観元年(859)本社が、この地に遷座された時、庭木としてウバメガシ数百本を植樹したとある。これによって考えると樹齢は1,150年以上と推定される。〈 美浜町教育委員会説明書より 〉

 このウバメガシの老樹の太い幹の内部は腐食して空洞になっていて、痛々しい姿であるが懸命に頑張って生きている老樹に感動と元気を頂き、この大切な文化財である老樹を末永く守っていかなければという思いを強く感じた老樹との出逢いであった。