印南町内の巨樹・古木

1.「光明寺の蘇鉄」(令和5年4月3日作成)

(1)所在地:印南町島田1037(渦山 光明寺

(2)種類等:ソテツ(町指定天然記念物、幹廻り  3.3m、樹齢  400年以上)

   

  ↑ 光明寺の参道と山門 

 「渦山 嶋田院 光明寺」は、熊野古道沿いにある浄土宗の寺院で、ご本尊は「阿弥陀如来」である。

 JR切目駅西のガード下をくぐると右手に参道の両脇にソテツが植えられ立派な石垣の上に白壁の塀が見える。

 参道を上った右側の鐘楼の横に幹廻り3.3メートルのソテツがある。

   

  ↑ 鐘楼横の蘇鉄の全景 

   

   ↑ 蘇鉄の近景

 鐘楼のそばに樹齢400年以上と云われる印南町指定天然記念物の蘇鉄の巨木があり、町内に数多くある蘇鉄の中で最大である。

 蘇鉄の枝は一方向にばかりに出ているが、これは風の影響であるとの事で、自然の厳しさを感じる。

   

  ↑ 釣鐘代用の石

 蘇鉄の横に金具を付けた大きな石があり、側の説明書に『昭和16年に公布された「国家総動員法」に基づく金属回収令により家庭の鍋、やかん、お寺の釣鐘などあらゆる金属が供出され、光明寺の梵鐘も国へ献納された。梵鐘がなくなった釣鐘堂自体が軽くなり風の被害が心配されるため、梵鐘の代わりにこの石の重しを作り鐘楼に吊るしてバランスをとっていたそうです。太平洋戦争末期たくさんのお寺から鐘が消えた時代でした。』と書かれていて、当時を知る貴重な遺産である。