広川町内の巨樹・古木

1.「エンジュ(槐)の古木」(令和5年4月11日作成)

(1)所在地:広川町上津木(津木小学校)

(2)種類等:エンジュ(天然記念物指定無し、幹廻り 約2m、樹齢 不明)

   

  ↑ 津木小学校校舎

 明治9年(1876)に上津木小学校、下津木小学校が創立。明治41年(1908)に統合されて津木尋常小学校となる。 

 学校創立後、150年近くの歴史ある学校であるが、令和4年度の新入生は5名で全校児童は25名、少人数を生かした教育に取り組んでいる様です。

   

  ↑ エンジュの古木

 校庭の片隅にある「創立100周年記念碑」の側にあり、3本の支幹は切られ6mもあった高さも今は半分以下の高さである。

 此の木は、当初校舎の脇にある銀杏の側にあったものが、此処に移植するために剪定されたと思われる。

 「エンジュ(槐)」の木は、その丈夫な性質と名前から「延寿」に通じ、縁起の良い木と云われている。中国原産の珍しい木であるので大切に見守って頂きたい。

   

  ↑ アラカシの老木

 「エンジュ」の隣に、主幹が切断されているが上部に小枝が青々とした葉を茂らせている1本の老木がある。

 「アラカシ」の老木で上部を切断され、主幹の内部は腐って空洞化し表皮だけで立っている姿は痛々しい限りであるが、先端の枝は葉を茂らせ小さな実を付けているのを見ると、思わずがんばれと声が出る。

 こんな姿になっても、懸命に生きようとする「アラカシ」の木を大切にして欲しいという思いと、子ども達にはアラカシの木に負けずに元気で頑張る子どもに成長して欲しいと願うばかりである。

 *私は、「エンジュ」の木を見たこともなかったが、町指定の天然記念物との情報から現地に行けば表示されていると思っていたが、表示が無く確信が持てなかったので広川町の企画財政課(文化財担当部署)の方に問い合わせたところ、親切に津木小学校の校長先生の御協力も頂いて色々調べて資料を送付して頂けたので「エンジュ」という珍しい木に出逢う事ができ、皆さんの親切に感謝です。

2.「岩淵 三輪社のナギ」(令和5年5月9日作成)

(1)所在地:広川町下津木(岩淵三輪妙見社)

(2)種類等:ナギ(町天然記念物、幹廻り 2m、樹齢 250年以上)

   

  ↑ 三輪妙見社拝殿

 岩淵集落の三輪妙見社は『紀伊国名所図会』に「岩淵三輪明神社の社、此村津木谷の奥にて人家五十町許の間に散在して、人物尤質朴なり。」と載る。

 その様子は現在の姿と大差なく描かれている。当時、嘉吉(1441~1444)の年号を記した鰐口が社殿で使われていたとされている。

 石段を上った境内には、三輪社と妙見社が並び、石段には「元文四年(1739)三月吉日村氏子中」と刻まれ、『紀伊国名所図会[嘉永4年(1851)』に描かれている石段が現在も残ることが分かる。

 社殿前には享保5年(1720)と文化10年(1813)奉納の石灯籠が残っている。

   

  ↑ ナギの全景(石段左手)

   

  ↑ ナギの近景(灯篭後部)

 境内には、高さ25m、幹廻り2mのナギの巨木が拝殿前に悠然と立っていて、背後には鎮守の森が広がっている。 

 此のナギの樹齢は250年以上と云われ、広川町内でも珍しい大木である。紀伊国名所図会にも描かれている古刹である三輪妙見社と共に町内にも数少ないナギの巨木を末永く大切に保存して頂きたいものである。